TOP > 第3特集:【後篇】世の中の「モノ」は、すべて人が作っている。

| 中田:その時に対応する臨機応変さが、現場を踏まないと分からないということですね。 西脇:まあ、そうですね。一ヶ月くらい準備したことでも、現場持ってって「ちょっと違うね」と言われると、「じゃあ、どうしますかね?」と。 本当は向こうは情報ありますよって言われたいんでしょうけど、「どうします?」ってわざと逆に追いつめて「じゃあ、これでいいよ」って言わせちゃう(笑)。 中田:今だからできるんですよ。 西脇:昔はできない。 中田:できないね。 西脇:何でも言うこと聞く。「わかりました!」って(笑)。「分かりました」って走っていっても「なにやるんだっけ?」とか(笑)。今はもう、逆に追いつめますから。 中田:要求通りに作ったのにね、営業的にとか興業方針で変わったりとか。モザイクかけなきゃいけなくなるから。カットされたりね。 西脇:それは放送コードというものがあるから。そこを食いつくのはなかなか難しい。もっと日本にテレビのチャンネルがいっぱい増えないとできない。 アメリカ並にケーブルテレビができないと、ホラー専門チャンネルとか、FOX crimeとか犯罪ドラマ専門チャンネルというのがあるんで、それはもうガンガン人を殺すシーンもあるし。 日本にそれができたらかなり自由になっちゃうと思うんですけどね。日本って「ピー音」も乗せないですからね。今はまだ映像業界が悩んでるところなので、その辺に関してはどこまでやっていいのかと。 |
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| 中田:そうですね、規制がやっぱりね。色々な事件が起きちゃいますからね。 西脇:僕らの時がちょっとおかしかったんだよね。普通に「水曜ロードショー」とかでバンバン首飛ばしてましたからね、ジェイソンが(笑)。 |
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| 中田:言っていいのか分かんないけど予算が違う(笑)。 西脇:僕の考えなんですけど、海外、アメリカに限らず、むしろアメリカじゃなくて一番元気があって金持ってるのはニュージーランドなんですけど、インドもいっぱい撮ってるし、韓国も大学院があるらしいんですよ、特殊メイクの。よくわからないですけど。アジア圏は割と少人数でやります。 器用なんだと思います、単純に。で、仕事の分配の仕方の文化が違うんですね。西洋圏はとにかく細かく仕事を振って、大きいお金の仕事はとにかく大勢人を呼んで、分業制で仕事を得ていくという文化なんですよ。アジアの人ってのは、できる人がいて、弟子みたいな人が数人いて、その人たちだけで回せちゃう。アメリカで10年以上放送されている、日本の戦隊モノを持っていった「パワーレンジャー」というのがあるんですけど、ハリウッドなんだから怪人を作ろうよって話になって、一ヶ月かかっちゃったんですね。日本の出来と同じものが。「どうなってんだ」って聞いたら、「どうやったってできないんだ」って言われて。僕が向こうに遊びに行った時に「どのくらいで作るんだ?」って聞かれて、さっきも言いましたけど、3人で1週間でやっちゃう。それが出来ないとクビですって話をすると、もう「信じられない!」って顔してるんですね。そんなのは人間の仕事じゃないって。 |
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| 西脇:6時から18時までですね。12時間きっちり働いてますよ、向こうの人も。カメラマンが「帰りたい」って言うから。監督に向かって「I wanna go home.」って言いますからね。 18時以降になるとギャラが倍になっちゃうので、ユニオンに入ってる人は。だから監督も戦々恐々で撮ってるんですよ。 でも、ちゃんと12時間働いてるから、単純に僕らが夜遅くまでやってる分、朝が早いだけです。実はあまり変わりはないんです。 中田:僕の工房の話をすると、小さいながらも工房の中でそれなりに分担が決まってたりするんです。ここからここまでを僕がやるけど、そのあと型を取ってもらってその型から抜けたものに今度は色を塗って植毛してもらうという担当を分けたりしてるので、近からず遠からずの仕事はしてますね。規模は違うけど。 西脇:みんながチーフ見たいな感じなんです。その下の助手はどんどん入れ替わっちゃうので。アメリカのスーパーの従業員の多さを見ると分かると思いますよ。 日本のスーパーで働いてる人で、掃除だけの担当の社員っていないじゃないですか。外の業者が掃除に来ますよね。色々なスーパーを担当してて。それがアメリカだと、そのスーパーの掃除担当の社員がいて、そこまで分かれてる。それで、たくさんの人を食べさせるという文化なんですよね。 中田:効率がいいことではあるんですよね。その部分を確立できるので。 西脇:決まったとこまでしか仕事はしないけど、そこまではきっちりやってくれるので。それが大勢人数がいると、一気にでっかい回転ができるっていうのもあるんですよね。 |
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| 中田:そうですね。極めてますからね。それぞれがちゃんと分業してれば変なぶつかりは無いと思います。 西脇:どっちも良いところと悪いところがあると思います。日本だと大きな回転のために人を集めなきゃいけなくて、統率取ろうとするとすごく難しいと思うんですけど、でもまあ、普段の横のつながりで、自分のとこで全部抱えなくても、モノによって分けちゃって、日頃から一緒に仕事してて、話もしてるので、全く差違がなくできるというのもあるし、アメリカはアメリカである程度のてっぺんまでは行けるんですけど、頭打ちが早いんです。アメリカで造形担当の偉い人と話した時に、アメリカの造形屋さんとか特殊メイクアーティストって40才過ぎると姿消しちゃうらしいんですよ。自分で工房を持ってない人は40才でこの業界を去るっていう。 |
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